• 大阪市城東区関目の鍼灸院 古田地天堂鍼灸院
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    「鍼灸」というチョイス ⑥ 最終回

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    こんにちは。
    受付の藤塚です。

     
    私が、北辰会の鍼灸治療を受け始めてから
    そろそろ10年近くになります。

    10年前の記憶を掘り起こしながら
    この「鍼灸というチョイス」シリーズ
    を書いています。
    最近、記憶が怪しいお年頃に
    なりましたが(涙)
    鍼灸に関することはキチンと自分の中に
    残っています。
    それは、記憶というより
    「習慣」になったからかもしれません。

     

     

     

    養生指導によって食事が変わりました。
    また、散歩や軽い運動も行うようになりました。
    毎週、治療を受けて
    すっかり、良くなりました。

     
    と、こんな簡単な10年間ではありません!
    ( ̄0 ̄;)

     
    何せ、それまでの40年間をかけて
    じっくり育ててきた
    「病気」ですから。
    小麦粉を止めて、散歩をして、
    鍼治療をしたらスカッと治りました~♪
    なんて、お話ではありません。

     

     
    鍼治療を始めた最初の数年間を例えるなら

     

    長ーい真っ暗なトンネルをただひたすら
    歩き続ける……
    たぶん、ずっと先に出口があって
    今は真っ暗で何にも見えないけど、
    必ず明るい所へ出られるはず。
    でも、
    途中で道に迷ったり、
    もういやや~(泣)
    入口も出口も見えなくなって
    どちらへ進んだらいいかわからなーい(涙)
    と、その場にうずくまってしまうような
    時もありました。

     

     
    そんな真っ暗闇の中を
    歩き続けられたのは
    「鍼灸師」という先導者がいたからです。

     

     

     

    鍼治療によってアトピーだけではなく、
    様々な不快な症状を
    治していただきました。
    本当に根気強く、諦めずに治療して
    いただきました。
    時に励まし、時に叱り。
    でも、決して投げ出すようなことは
    仰いませんでした。

     

     

    そして、もうひとつ大事だったのは
    「私自身が治ろうとしたこと」
    薬や注射や手術に頼るのではなく。
    相手にすべてを委ねるのではなく。
    「お願い、治してください」ではなく。
    自分自身が諦めずに治ろうとしたこと。

    私の体がどんなふうに成り立っているのか。
    私の食べたものがどんなふうに
    影響するのか。
    今まで当たり前になっていた生活習慣が
    自分の病気を作り出していることを
    知り、
    それまでが、いかに「無知」であったかを
    知りました。

     

     

    アトピーも生理不順も肩こりも
    不眠も軽うつも……
    みな、バラバラの症状ではなく
    根っこは繋がっている。

     

    毎週、鍼治療を受けながら
    先生から様々なアドバイスを受け
    自分でそれを咀嚼しながら
    長いトンネルを歩き続けてきました。
    常に私を先導して下さった
    北辰会の足立先生に
    この場を借りてお礼申し上げます。

     
    …………………………

     

    今では、小麦粉断ちもしていません。
    大量に摂ることはありませんが
    外食もしますし、パンも食べています。
    以前は、アトピーで顔が真っ赤に腫れ、
    手はあかぎれ・ひび割れだらけでしたが、
    今は何もケアせずに過ごせています。
    目が覚めて不安で眠れない夜は
    もうありません。

     

     

    季節の変わり目に痒くなったり
    日々、小さなダメージもありますが、
    それは自分の食生活や不摂生が引き金に
    なっていると自覚できます。
    なので、自力でブレを修正しますし、
    今でも、定期的に鍼灸治療を受け
    大幅なブレを引き起こさない=
    「未病を防ぐ」ようにしています。

     

     

    「生老病死」は避けて通れない
    人間の宿命です。
    できるだけ、健やかに若々しくいたいと
    誰しもが望みます。
    「生死」は自分の思い通りにはならないけれど、
    「老病」は何とか遠ざけて、いきいきと生活したい。
    生まれてから死ぬまで、
    自分の魂を容れる器である体を
    キチンと自分で保ってあげること。
    もし、ダメージを受けたら
    誰かに丸投げで治してもらうのではなく
    自分の持つ「治ろうとする力」を信じて
    みてください。

     

     

    「鍼灸というチョイス」は
    腰痛や肩こりの時
    というのが社会通念ですが、
    私がこの10年間受けてきた鍼灸は
    生き方・考え方をも変えるものでした。

     

     

     

    世の中には様々な治療法があります。
    体に不調があれば、
    まずは、保険診療がある病院(=西洋医学)
    へ行くのが普通です。
    でも、
    自分の思う効果が出ない
    症状が複雑になって診療する科が増える
    薬がどんどん増えていく
    自分の体のことをもっと知りたい
    自分の治癒力を高めたい

     
    そういう方にはぜひ鍼灸を
    選んでいただきたいです。

     

     

    急性であれ、慢性であれ
    苦しく辛い症状を少しでも
    取り除いてあげたい。
    そして、患者さんの生きる力・治る力を
    取り戻すための先導者として存在する。
    それが、治療を受けてきた私から視る
    鍼灸師の姿です。

     

     
    皆さんの選択肢の中に
    「鍼灸」という治療が入ることを
    切に願います。

     

     

    長々と書いてきた
    「鍼灸というチョイス」
    これにて、了
    といたします。
    ありがとうございました
    m(__)m