院長・スタッフコラム : 東洋医学
散歩のススメ ①
TAG:東洋医学 |
こんにちは。
受付の藤塚です。
古田先生はいつも患者さんに「散歩」を勧めます。
「散歩」
先生曰く、
ゆっくりと歩くことで心も体もゆるみ、
この柔らかくゆるんでいる状態が「
イメージとしては、あかちゃんの心と体。
何ものにも囚われない、そして体も柔らかく温かい。
散歩をして心身ともにゆるめば、鍼の治療効果もあがります(^
と。
わかってはいるんですけどね~。
なぜか、なかなか散歩ができない。
忙しくて時間がない。
散歩するならもうちょい寝ていたい。
と、あれやこれや言い訳して散歩しない……。
こんな患者さん(=私)に、先生は何て言うんでしょうか……。
次回につづきます~
身体を守ってくれる気について
TAG:東洋医学 |
地天堂鍼灸院の古田です。
いつもこのコラムをご覧くださって
ありがとうございます。
唐突ですが、
身体の体表をおおっている気がありまして、それを衛気といいます。(えきと読みます)
身体を守ってくれている気です。
この気を意識して鍼をすると、とても効果がでやすくなります。
今日は衛気(えき)のはなしです。
僕は子どもの頃、とても「くすぐったがり」でした。
たとえば、
姉が僕にいじわるをして「こちょ、こちょ」って言いながら、
手でくすぐる真似をするだけで、
脇の下の辺りがモゾモゾしてきて、
「やめてー!」って言うくらい「くすぐったがり」でした。
触られてもいないのに、脇の下がモゾモゾするのはなぜでしょう。
衛気(えき)が反応しているからと、考えます。
「くすぐったがり」の人じゃないとわかりにくいかな?
では、これはどうでしょう。
嫌いな人に触れられるのと
好きな人に触れられるのは
なんであんなに身体の反応が違うのでしょう。
嫌いな人の手が、脇の下に伸びでくることを想像してみて下さい。
たぶん手が近づくだけで、触れられる前から身体が反応すると思います。
衛気が反応して乱れていると考えます。
衛気を乱さずに鍼をする、とよく鍼は効きます。
なので、触れられて「気持ちいいな〜」と感じる人の鍼はよく効くということになります。
古田
なぜ患部ではない部位に施術をするのか?
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こんにちは、荒木です。
2年間の沈黙を破って、再登場です(*´∀`*)
今から書くことは、私自身がこれまでに経験した事や学習した事に基づきます。
賛同される方もされない方もいらっしゃると思います。
ひとつの考え方として、読んでいただければ嬉しいです。
皆さんは、『患部に鍼をするのが当たり前だ』と思っていないですか?
地天堂鍼灸院では、患部以外に施術をする事が多いです。
なぜ、患部ではない部位に施術をして症状が改善されるのでしょうか?
はじめに、患部に直接施術をして改善する話を書きます。
今をさかのぼること約3年前のことです。
私も鍼灸学校の学生時代に、肩こりの治療で安全に肩へ鍼を打つ方法を習いました。
これは、肩こりの原因が肩にある筋肉が凝り固まっているので、凝り固まっている肩の筋肉に直接鍼を打って、凝り固まっている筋肉を緩めて血行を促進し、肩こりを治そうという考えに基づく治療方法です。
上記が、患部に直接鍼を打つ治療方法です。
それでは、なぜ肩こりの時に肩こりの原因になっている筋肉に直接鍼をせずに、違う部分に鍼を打つのか?について、書いてみます。
『なぜ肩こりが起きたのか?』を東洋医学に基づいて考えます。
たとえば
1)食べ過ぎる→消化を司る臓器が弱る→気の流れが悪くなる→肩こり
2)食べ過ぎる→消化を司る臓器が弱る→水の流れが悪くなる→肩こり
3)イライラする→怒りに関係する臓器が直接弱る→気の流れが悪くなる→肩こり
4)イライラする→怒りに関係する臓器が、消化を司る臓器を弱らせる→気の流れが悪くなる→肩こり
etc…
このように肩こりは内蔵の弱りから起こることが多いと考えます。
ここが東洋医学独自の考え方なのですけど。
まだまだいっぱい考えられますが
とりあえず上記4つの可能性が出てきたと仮定して次にすすみますね。
あとは、問診の内容と、体表観察(見た目、声、脈診や舌診、全身のツボや爪の状態、etc)で、一番の原因を探ります。
今回、食べ過ぎが原因だ!!と分かったら、大便が出やすくなるツボや、消化を司る臓器に関係するツボに鍼をします。
このツボ(消化を司る臓器に関係するツボ)が、患部以外の手足や、お腹や背中にあったりします。
右足のこのツボ!!ここが、一番効くねん!!という場合、肩ではない部分に結果的に鍼を打つことになります。
以上の理由で、患部ではない部分に鍼を打つことが多いです。
東洋医学では上記の様な理由により、腰痛と肩こりの人という様に症状が異なっている場合でも、原因が同じでツボの反応も同じとなれば、同じツボに鍼を打つことはあります。
長々と書きましたが、最後まで読んでくれてありがとう御座います。
文:荒木かおり
風邪について
寒い日雪が続きますが、皆様お元気ですか?
今日は、風邪について書きます。
皆さんは、風邪と聞くと、何を思い出しますか?
クシャミ、鼻水、、咳、痰、発熱、頭痛、関節痛、etc
東洋医学では、上記以外の症状もあります。
一例をあげますと、薬局・薬店で、葛根湯(かっこんとう)を見かけられた方が多いと思います。
効能の欄に『項・肩・背中のコリ』と記載がされています。
この漢方薬は中国の漢の時代の医者、張仲景先生が書かれた『傷寒論』という本に出てきます。
その中の一文
『太陽病、項背強几几、無汗悪風、葛根湯主之。』
荒木意訳:『太陽病にかかって、うなじや背中がこわばって、汗が出なくて、悪風*注1するものは、葛根湯で治療する』
葛根湯について書かれた文の一部ですが、上記文章が葛根湯の効能で、『項・肩・背中のコリ』と記載がされている理由だと思います。
『風池』『風門』『肺兪』『身柱』等のツボは、風邪のときにはよく反応が出てます。
これらのツボは、項や上背部にあります。
上記のツボに鍼やお灸で、風邪を治療する事も出来ます。
風邪は、これら上背部から侵入してくると、考えています。
その為、地天堂では、風邪の予防に背中のタオルをお勧めしています。
こんな感じです。
そして、この上からTシャツ等を着てください。
昼間の活動時や、夜寝るときに簡単に出来ます。
是非やってみてください。
注1悪風(おふう):風にあたると、気持ち悪かったり嫌な感じがする事。
上記の葛根湯証は、風邪のひとつの証です。
東洋医学では、風邪にも他に色々あります。
葛根湯が効く風邪と効かない風邪があるのは、その為です。
このブログに書いているのは、風邪の一部です。
文:荒木かおり
参考文献:
現代語訳◎宋本傷寒論 劉渡舟・姜元安著。生島忍訳 東洋学術出版社
中国傷寒論解説 劉渡舟著。勝田正泰・川島繁男・菅沼伸・兵頭明訳 東洋学術出版社
中医臨床のための方剤学 神戸中医学研究会編 医歯薬出版
東洋医学が教える 「秋の養生法」 その3
こんにちは、古田です。
いつもこのブログを読んでくださってありがとうございます。
秋なのに、最近は少し蒸し暑く感じる日や、気温が例年よりも温かい日が多いですね。
本来、秋は西から風が吹き、涼しく乾燥することが多い季節です。
ところが、先週大阪では、南や東から風が吹く日が多く、
湿度も比較的高い状態がつづいて、60~80%に達する日が続いていました。
(気象庁のデータより)
東洋医学では、
季節に合った方角から吹く風のことを「実風」と呼び、
万物を成長させ養うとされます。
一方、実風の逆の方向から吹く風を「虚風」と呼び、
この風は人を傷つけたりいろいろな害を為すとされています。
先週は、まさに「虚風」が吹いました。
こんな時は、養生が大切です。
具体的には、
汗をかいたら、すぐ拭き取るか着替える。
人よりも熱がりの傾向の人や、胃がもたれるような食事をした場合は、生野菜をとる。
また、唐辛子など辛いものをひかえる。
足がむくんだり、舌が苔で白くなったら、油濃いもの・消化の悪いものを控える。
夜に風邪をひきやすいので、敷き布団を保温性のあるものにする。
空気が乾燥したときには、加湿したりこまめに少量の水分をとる。
簡単な内容ですが、風邪の予防に大きな効果があります。