院長・スタッフコラム
なぜ患部ではない部位に施術をするのか?
TAG:東洋医学 |
こんにちは、荒木です。
2年間の沈黙を破って、再登場です(*´∀`*)
今から書くことは、私自身がこれまでに経験した事や学習した事に基づきます。
賛同される方もされない方もいらっしゃると思います。
ひとつの考え方として、読んでいただければ嬉しいです。
皆さんは、『患部に鍼をするのが当たり前だ』と思っていないですか?
地天堂鍼灸院では、患部以外に施術をする事が多いです。
なぜ、患部ではない部位に施術をして症状が改善されるのでしょうか?
はじめに、患部に直接施術をして改善する話を書きます。
今をさかのぼること約3年前のことです。
私も鍼灸学校の学生時代に、肩こりの治療で安全に肩へ鍼を打つ方法を習いました。
これは、肩こりの原因が肩にある筋肉が凝り固まっているので、凝り固まっている肩の筋肉に直接鍼を打って、凝り固まっている筋肉を緩めて血行を促進し、肩こりを治そうという考えに基づく治療方法です。
上記が、患部に直接鍼を打つ治療方法です。
それでは、なぜ肩こりの時に肩こりの原因になっている筋肉に直接鍼をせずに、違う部分に鍼を打つのか?について、書いてみます。
『なぜ肩こりが起きたのか?』を東洋医学に基づいて考えます。
たとえば
1)食べ過ぎる→消化を司る臓器が弱る→気の流れが悪くなる→肩こり
2)食べ過ぎる→消化を司る臓器が弱る→水の流れが悪くなる→肩こり
3)イライラする→怒りに関係する臓器が直接弱る→気の流れが悪くなる→肩こり
4)イライラする→怒りに関係する臓器が、消化を司る臓器を弱らせる→気の流れが悪くなる→肩こり
etc…
このように肩こりは内蔵の弱りから起こることが多いと考えます。
ここが東洋医学独自の考え方なのですけど。
まだまだいっぱい考えられますが
とりあえず上記4つの可能性が出てきたと仮定して次にすすみますね。
あとは、問診の内容と、体表観察(見た目、声、脈診や舌診、全身のツボや爪の状態、etc)で、一番の原因を探ります。
今回、食べ過ぎが原因だ!!と分かったら、大便が出やすくなるツボや、消化を司る臓器に関係するツボに鍼をします。
このツボ(消化を司る臓器に関係するツボ)が、患部以外の手足や、お腹や背中にあったりします。
右足のこのツボ!!ここが、一番効くねん!!という場合、肩ではない部分に結果的に鍼を打つことになります。
以上の理由で、患部ではない部分に鍼を打つことが多いです。
東洋医学では上記の様な理由により、腰痛と肩こりの人という様に症状が異なっている場合でも、原因が同じでツボの反応も同じとなれば、同じツボに鍼を打つことはあります。
長々と書きましたが、最後まで読んでくれてありがとう御座います。
文:荒木かおり